僕の旅のこと

2016年5月〜8月の海外バックパッカー、そして2018年10月〜から挑む、みちのく潮風トレイル踏破のこと

27日目 : 霊峰を越えて南三陸町へ

6時にKさんが迎えに来てくれたので、昨日と同じように軽トラに乗って漁港に行きます。


船を走らせて、浮きに旗を付けた目印まで行くのですが、広い海の中にぽつんと浮かぶ旗を探せる気がしません。

Kさんが操縦する船は一直線に目印に向かっていきます。


写真を撮ろうとカメラの電源を付けると、メモリーカードが入ってないという表示が。

僕としたことがやってしまいました。

iPhoneで撮影です。


仕掛け網両端には重りが、上部には浮きが並んでいて、海の中で暖簾のように広がるような作りになっています。

ここに鮭が引っかかるという寸法。

網の下部は海底に垂れ下がっているので、鮭以外にもウニやホヤも採れます。


まずKさんが片方の重りを引き上げました。

あとは巻き取るように網を引いていきます。

もう片方の重りは海底に残っているので、引っ張っていけば、どんどん船の方が重りに寄っていくような感じになっていました。

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Kさんが浮きの付いている方を、僕が底の方の網を引っ張ります。

浮きが付いている方が当然先に上がってくるので、僕は上がって来た分に合わせて引っ張るだけです。


震災前は一番多くて50匹近く獲れたこともあるそうですが、震災後獲れる数が減ったそうです。

特に今年は不漁。そういえば大槌町鮮魚店のお母さんも不漁だと言ってました。

少なからず防潮堤工事が影響してるんじゃないかとのことでした。


1時間ほど引っ張って、全ての網を上げました。

獲れた鮭は6匹。あとホヤが2匹。

漁師仲間の方に鮭を1匹あげてました。

相手の方からはタコが。

「海の仲間は相手が持ってない魚をあげるんだ。」

自分の獲物だからと言って囲い込まず、自然からいただいたものをみんなで分け合う。

ともすれば排他的になりがちな世の中で、忘れてはいけない感覚な気がします。


船から上がった後は、また朝食をお世話になりました。

小屋の荷物を片付けて、先日ゴールした陸前小泉のあたりまで送ってもらいます。

お世話になりました。


今日は山を越えて南三陸町に入ります。

どの程度の厳しさなのか不安が募りますが…

しばらく車通りの少ない舗装路歩きなので、歩きながらブログを書いてました。

最近問題の歩きスマホですね。

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バス停で軽く休憩を取って、またしばらく歩いていると、久々にトレイルのリボンを見つけました。

ここに必要?と思ってしまいましたが、宮城県に入ってから初めて見つけたので、旧友に出会ったような感覚になります。

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遊歩道に入っていきます。

しばらくは舗装路。

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この看板辺りから道が未舗装に変わります。

昔は霊峰として栄えた山らしく、歩いた遊歩道の名前は「行者の道遊歩道」です。

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ただやっぱりこういう道の方が歩いてて楽しいんですよね。

厳しい上り坂は勘弁ですが、根は案外ハイカー気質かのかもしれません。

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トレイルマップに、小川を渡るとかなんとか書いてたので、普代村から沢と小川がトラウマの僕としては嫌な予感がしてたのですが、靴を濡らすこともなく歩くことができました。


これ最初どこが道なのかと思ったんですが、反対側に渡るのではなく、川の奥に歩いてくんです。

こんな感じの川歩きが何度かありました。

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後は普通の登りを歩いて行けば、頂上辺りに出ます。

大きめの駐車場とトイレがあったので、その辺りに座って昼食休憩を取りました。

最近は専らコンビニのパンです。

相変わらず米が入ったままなのですが、もうそろそろいらない気がするので減らしたいなーと常々思ってます。


13時前に再出発。

しばらく落ち葉でふかふかの道を下っていきます。

ちなみに僕は、足元がどうなってるのか分からないので、こういう道が苦手です。

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下り切ると集落に出ます。

後ろから走って来た軽トラが僕の隣に止まって、運転手のおじさんが乗るか?みたいなジェスチャーをしてくれたのですが、手を振ってお辞儀して笑顔でお別れしました。

こういうのもまた嬉しくなりますね。


この後しばらく舗装路の登りが続きました。

そんなきつい坂ってわけでもないのですが、長いとバテてきます。

登った先に展望台があったので、バックパックを降ろして一休み。

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トレイルルートは微妙に街の中心部からずれたルートを通ってるのですが、寝るとこの情報収集もかねて、このまま中心部を目指したいと思います。


のどかな集落を通る道を歩いて、観光案内所に着いたのが16時過ぎでした。


中に入っていつもごとく、野宿できる場所を伺います。

公式的には宿を紹介するしかないのですが…と言いつつも、候補地をいくつか教えてくださいました。

とりあえず明日通る予定の無人駅に向かうことにします。

「次は観光で来てくださいね。」と案内所を出るときに名刺をいただきました。あと、栄養ドリンクと。


野宿できるとこ教えてください。なんて普通聞いても教えてくれなさそうなもんですよ。

いつぞやの役場の方を始め、皆さん親切に教えてくれるので、ここまであまり泊まるとこには苦労せずに来れました。


最寄駅から一駅BRTに乗って、無人駅へ。

一晩過ごした後、また戻ってくることにします。


駅近くには、震災後にできた「南三陸さんさん商店街」があります。

1日1食ぐらいはまともなものを食べたいと思ってるので、飲食店を探して入りました。


どれもなかなか良いお値段だったので、一番安いどんぶりを大盛りで注文しました。

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お店の大将にも泊まれそうな場所を聞いてみます。

すると、商店街のフードコートがフリースペースらしく、そこにテントを張る人もいる。

もしくは、ここの最寄りの駅も、夜は係員さんが帰って無人になる上に、待合室は24時間開いてるので、寝ようと思えば寝れる。とのことでした。

冷え込みが厳しいので、寝るなら屋内が良いです。今日は駅寝かな…


隣に座っていた土木関係の仕事をしているおじさんは常連客のようです。

震災の翌年に仕事でこっちに来て、骨を埋める覚悟で移り住んだそう。

話も弾みまして、「ちょっと忙しくて泊めてやるのは無理だけど、風呂ぐらい入っていいよ。」と言ってくださったので、お言葉に甘えることに。

お店の大将は、「うちではカウンターに座った一人旅のお客さんには、おにぎりをお渡ししてるんです。よかったら明日の朝にでも。」とおにぎりをくれました。

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少しだけお家にお邪魔して、お風呂をお借りしました。

「泊めてやれなくて申し訳ない。」と言ってくださいましたが、お気持ちだけで十分ありがたいです。


また商店街に戻りました。

フードコートにバックパックを置いて、駅の下見に。

近くにトイレもあるし全く問題なさそうです。


バックパックを持ってきて、床にシートと寝袋で寝る準備をします。

溜まっていたブログを二本更新して、寝ることにしました。始発までに起きねば。

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本日の歩行距離 : 約23km